
2023-08


朝焼けに染まる薄雲おぼろ月 微かな金色残したままで

味噌汁を初めて息子が「おかわり」と 天にも昇る父の気持ちは

君と手を繋ぎたくて伸ばした手 拳となって花火と消えつる

丁寧に着付けし浴衣夜されば 跡形もなく乱れて君と

料亭で 慣れないご馳走 食べるより 抜け出し あなたに会いに行きたい

一生に 一度だけ咲く 花がある 一度だけ散る 星を探して 56

戦乱で 紅い涙が 流る時 蒼い傷みが 白い叫びが 55

食べて飲み 糞尿、垂れて 眠るだけ これは幸せ それとも不幸 54
