・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください
「狂歌」
崩れ去る 双子のビルが 叫んでた 終わりじゃないと 忘れないでと
好きでした ぷっくりしてる クチビルが 怒って泣いて 笑うと特に
崖の上 廃ビルの奥 貸別荘 だいたい此処で 捕まる犯人
畦を行く 祖母がノビルを 手渡して 「美味しいんよ」と 小さく微笑む
東京見物に都庁ビルに連れて行く息子腰抜かす婆婆
ビル街をすれ違う人顔と顔目線をはずし早足のまま
ビル街にひかり咲くイルミネーション 里に天然プラネタリウム
ビル街の裏通りには日も差さず 夜咲く花は朝露に散る
テンダラービル差し出してハイネケン確保し辺りを見渡してみる
君とよく待ち合わせしたビルの前来る人も無く夏の夕焼け
ビル街を雨がしとしと湿らせて水の匂いを独り楽しむ
稲妻に一瞬浮かぶビル街は虚構のごとく闇に沈みぬ
ビル街で見上げる空の輪郭は ジグソーパズルよりも歪(いびつ)で
なにもかも自分のせいだと思う日に見上げたビルは高くてこわい
どこまでも列の長さに驚くよ高層のビル美術展示
マンションはどうして「ビル」と言わないの 孫に問われて答えをさがす
下町に茶色のタイルの五階建て入口の脇に「くのビルヂング」
ビル街の片隅に住む老人は夕涼みした縁台思う
ビルのない平野に湧き立つ蚊柱に正面から突っ込む自転車で
ビルの地下 時間も揺れるジャズ喫茶 紫煙と酒に混じりあう音
オフィスビル窓が灯ってロマンスが動き出してる 私フリーター
ビル街を選んで咲いたたんぽぽが俯く人に笑顔を向ける
高層のビルから見える満月はほんの少しだけ私に近い
縦長の長屋に住める人々のビルの箱部屋タワーの自慢
ずっと田舎暮らしの義弟は軽井沢より 高層のビルが好き吾も
ビル街の風受けて立つあなたには生涯見えず私の本音
観ることができないままの「キル・ビル」を夏の間に観ておこうかな
ビル街を山車や神輿の引き回し神の吐息は呻きと聞こゆ
雑居ビル錆びた階段人の気配を探りながら上る夕暮れ
都内のあのビルの4階で知り合ってのち 田舎暮らし にぎやか恋し
立ち並ぶビルの町から引っ越して空が広がる田舎に越せり
駅ビルのCan★Do寄って涼んではペットボトルのラムネを選ぶ
パンダさんまたぎ屋上遊園地 追憶のビル今は月極
青空に夏雲泳ぐ古里は5階建てでも高層ビルだ
熱帯夜 ビルの谷間に 咲く花火 少し遅れて 響く鳴き音
「狂歌」
崩れ去る
双子のビルが
叫んでた
終わりじゃないと
忘れないでと
好きでした
ぷっくりしてる
クチビルが
怒って泣いて
笑うと特に
崖の上
廃ビルの奥
貸別荘
だいたい此処で
捕まる犯人
畦を行く
祖母がノビルを
手渡して
「美味しいんよ」と
小さく微笑む
東京見物に都庁ビルに連れて行く息子腰抜かす婆婆
ビル街をすれ違う人顔と顔目線をはずし早足のまま
ビル街にひかり咲くイルミネーション
里に天然プラネタリウム
ビル街の裏通りには日も差さず 夜咲く花は朝露に散る
テンダラービル差し出してハイネケン確保し辺りを見渡してみる
君とよく待ち合わせしたビルの前来る人も無く夏の夕焼け
ビル街を雨がしとしと湿らせて水の匂いを独り楽しむ
稲妻に一瞬浮かぶビル街は虚構のごとく闇に沈みぬ
ビル街で見上げる空の輪郭は
ジグソーパズルよりも歪(いびつ)で
なにもかも自分のせいだと思う日に見上げたビルは高くてこわい
どこまでも列の長さに驚くよ高層のビル美術展示
マンションはどうして「ビル」と言わないの
孫に問われて答えをさがす
下町に茶色のタイルの五階建て入口の脇に「くのビルヂング」
ビル街の片隅に住む老人は夕涼みした縁台思う
ビルのない平野に湧き立つ蚊柱に正面から突っ込む自転車で
ビルの地下 時間も揺れるジャズ喫茶 紫煙と酒に混じりあう音
オフィスビル窓が灯ってロマンスが動き出してる
私フリーター
ビル街を選んで咲いたたんぽぽが俯く人に笑顔を向ける
高層のビルから見える満月はほんの少しだけ私に近い
縦長の長屋に住める人々のビルの箱部屋タワーの自慢
ずっと田舎暮らしの義弟は軽井沢より
高層のビルが好き吾も
ビル街の風受けて立つあなたには生涯見えず私の本音
観ることができないままの「キル・ビル」を夏の間に観ておこうかな
ビル街を山車や神輿の引き回し神の吐息は呻きと聞こゆ
雑居ビル錆びた階段人の気配を探りながら上る夕暮れ
都内のあのビルの4階で知り合ってのち
田舎暮らし にぎやか恋し
立ち並ぶビルの町から引っ越して空が広がる田舎に越せり
駅ビルのCan★Do寄って涼んではペットボトルのラムネを選ぶ
パンダさんまたぎ屋上遊園地 追憶のビル今は月極
青空に夏雲泳ぐ古里は5階建てでも高層ビルだ
熱帯夜 ビルの谷間に 咲く花火 少し遅れて 響く鳴き音