日は落ちて 浮きたる逢瀬も尽きにけり 行かむ運命(さだめ)ど 名残惜しけれ
題『落』 にて
白銀の 富士の高嶺に 射す朝日 人に聞けども なお美しきかな
題『聞』 にて
星ふる夜 吐息白々 並び行き いづれ放たる 手こそ惜しけれ
題『白』 にて
別れあり 寝ても覚めても 焦がれども うつろふ日々に 恋は消えゆく
題『消』 にて
艶やかに 髪ふる仕草 げに愛し 君が色香に 酔う我身かな
題『よう』 にて
君は待つ 宵の家路を急ぎたる 想い溢れて とめどなきかな
題『急』 にて
夕暮れに 振り向く笑顔 まばゆくて つなげぬままの 手は彷徨いて
題『手』 にて
ゆうひさし きらめくひかり げにまぶし しろきのはらに きたるよいかな
題『冬(テーマ詠)』 にて
君知らず 想ひつのりて焦がれにし 寒の場に咲く篝火の花
題『場』 にて
儚き夜 君の御髪に触れにしを 覚めては想ふ現のあはれよ
題『触』 にて
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