免許証の写真を持って「別人」と言い張って笑う若さを手放す
題『自由詠』 にて
「お座り」と言えばしっぽを振る犬の無邪気さくらい君を信じる
題『座』 にて
願いごと書いたレシート丸めてるゴミ箱までの短い旅路
題『願』 にて
わたくしを通り過ぎたる数年が古い毛布の重みで眠る
題『年』 にて
跳ねるような馬のしっぽのポニーテール ほどくときまで今日は休日
題『馬』 にて
忘れ物預かり所を覗くたび過去のわたしが詰め込まれてる駅
題『駅』 にて
みかんから溢れるしずく一滴に閉じ込められた午後の遠景
題『みかん』 にて
正月をやり過ごすため陽のあたる場所だけ選んで歩く足首
題『正月』 にて
靴底に付いた一年の煤(すす)を落とし切れないままの大晦日
題『大晦日(テーマ詠)』 にて
缶コーヒー熱を失う速度だけ冬の深さを信じ始めている
題『冬(テーマ詠)』 にて
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