コンビニで買った夜空の色の飴 90歳の爪のささくれ
題『自由詠』 にて
既読無視が最大の罰と知りながら夜中の通知を 最初に消した
題『最』 にて
リモートで座りっぱなしの この足に散歩の誘い犬の眼差し
題『足』 にて
冷凍の餃子焼いてる匂いにも生きるってことの重さ感じて
題『生』 にて
無印で揃えた棚に並ぶのは趣味と部屋干し衣類の匂い
題『部屋(テーマ詠)』 にて
朝顔の鉢植えを置くベランダは夢と現実つなぐ滑走路
題『朝』 にて
推しの色ネイルに込めて出かけたら 同じカラーの誰かと目合う
題『きっかけ(テーマ詠)』 にて
一冊を読み終えぬまま置いてある 開いたままで季節が過ぎる
題『一』 にて
返したい過去をレンタルできぬまま ひとりの夜は星が見えない
題『自由詠』 にて
髪を切る。上を向いたら泣きそうで「あ、ちょっと切りすぎたかも」って言った
題『上』 にて
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