もう少し甘えさせてと 脛(すね)に擦り寄りぬ愛猫 出勤の朝
題『もう』 にて
幼日の吾(あ)の隣 見覚へある子 朦朧(もうろう)す過去 古きアルバム
題『もう』 にて
本便に乗り遅る ホームにひとり 缶しるこ購(あがな)ひ 待つ次発
題『自由詠』 にて
晩年の祖母の過ごした施設にも 今頃咲くか 睦月の蝋梅(ロウバイ)
題『自由詠』 にて
厳寒や 冴ゆる朝空 干したての衣類より立つ湯気 ゆらゆらと
題『自由詠』 にて
思ひ出と共に 今も手元に残る 主(あるじ)なき 祖父母の家の鍵
題『鍵』 にて
鍵掛かり閉ざさりし窓 摺り抜けて流るる寒気(かんき) 夜半(よわ)に降雪
題『鍵』 にて
友誘ひ フリータイムにて熱唱 歌と笑顔の 年始の集ひ
題『熱』 にて
バスを待つ間(ま)に 購(あがな)ひぬ 熱々の缶ココア 悴(かじか)む手 温(あたた)む
題『熱』 にて
虎落笛(もがりぶえ) 奏でをる戸を摺り抜けて 部屋の暖気に包(くる)まりぬ風
題『風』 にて
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