


戦乱で 紅い涙が 流る時 蒼い傷みが 白い叫びが 55

バウンサー 揺れる娘と 夏の昼 共に船漕ぎ 夢か現(うつつ)か

腕の中 にやりと笑う 我が娘 無償の愛を 教えてくれた

音ありて 言葉少なし あふれゆく ただひたすらに うたをうたいて

そう そっと みみをすまして かんじてよ ひぐらしのこえ 過ぎてゆく夏

人は皆 関わり避ける 傍観者 闘う事なく 助ける事なく

朝早く だいだらぼっちの 健診か 現像すみの 写真 いちまい

団欒を 抜けて廊下で振り返る 己無しでも 変わらぬ光量
