個感
個感
満月しじま やわらかき桃をつぶして種を出す もう被害者に戻れぬわたし
満月しじま 同じ色している空と海のよう 惹かれあうことさえ罪ですか
満月しじま 泣き言を言うより先に闘うの 希望は自分で見つけるものだ
満月しじま 退院の方に贈ろう 「さびしい」のかわりに詩を数多の花を
満月しじま 病室の窓は額縁 青と白 夏は褪せゆき秋は染めゆく
満月しじま 食事するその一口目、口内がキューッとしまる これが「おいしい」
行雲流水 破調編 テレビから 今日も欺瞞が こぼれ散る 顔の見えない 仮面の群れよ
行雲流水 破調編 生きている 生かされている 生きていく どう生きるのか 生きていくのか
行雲流水 破調編 