うたの日

梅鶏

置き場所をいちいち決めてない姉が今も探している家の鍵

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梅鶏

老いる手を見ずに逝きたる人の手に重ねていたい老いてゆく手を

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ふにふにヤンマー

ジェラートにスプーンをあててゆっくりとしづむはやさでもうすきみたい

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梅鶏

ヒールパス 朝日はいつも東から昇る私が見ていなくても

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梅鶏

子の出した弁当箱に齧られたウサギの耳が残されている

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梅鶏

ロキソニンテープの「1」を剥ぐ 人が一人で生きていける世界で

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梅鶏

また君は門外漢のふりをする浅瀬を足に絡ませながら

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梅鶏

まだ君の飛ぶことのないヒコーキの折り目すべてが成長だった

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梅鶏

「団結」と背中に書いたTシャツがずっと一人のまま過ごしてる

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ふにふにヤンマー

背を合わせ闘う夢のなかずっと肩甲骨をこすりつけてた

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