たんたか短歌

梅鶏

着るまでは気づかずにいた虫食いのように理由を子は語りだす

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梅鶏
梅鶏

この雪はここで生まれてここで死ぬバス停で遅延するバスを待つ

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梅鶏
梅鶏

まだ力加減を知らぬ子のように雪の重なりゆく祖母の町

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梅鶏
梅鶏

猫の手じゃなくてもいいかままごとの包丁を手に調理する子は

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梅鶏
梅鶏

子の描いた複雑すぎる家族画で唯一解る妻の偉大さ

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梅鶏
梅鶏

哀しみに魅せられているかのように西日のきつい階段にいる

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梅鶏
梅鶏

失った過去は戻らぬ夕暮れに彫刻刀で削る木版

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梅鶏
梅鶏

リコーダーの内側を拭く間違った音色を全部掻き出すように

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梅鶏
梅鶏

母の手で切られた髪が新聞の上で乾いた雨音になる

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梅鶏
梅鶏

「干している服を着るの」と子は朝に風船を割る私のなかの

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梅鶏
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