行雲流水 破調編

哀れなり 見て見ぬ振りが 罪ならば 罪なき人など いるのだろうか 136

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恋子

感傷にひたひた浸る秋の湯にポロポロポロと恋の垢流し

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葉山きらり

捨てられた才能という残骸がほしくて届かぬ今日も生きてる

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恋子

ねえ抱いて秋の風吹くいじわるく恋のかさぶたすき間がつらい

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晴希

なんとなく明るい空に目を凝らし見えない星を見ようとしても

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夢人

窓枠にそのまま夜が切りとられ下弦の月がつかまっている

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平見翠玉

亡き友を旧姓で呼ぶ友達と逃げ水かあるいは陽炎か

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平見翠玉

どうして薔薇には棘があるのだろう美しい花には棘がある

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恋子

秋に秋重ねてわびし月の夜は重ねる肌のぬくもりうれし

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恋子

下駄をはきそぞろそぞろと闊歩する独りよがりの番記者に似て

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