澄水

夏の闇窓や網戸の虫達も生きているかな精一杯に

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澄水

一切を放下してきたつもりでも来し方行く先のみぞ残る

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澄水

一生は旅人なれば過去未来まだ捨てられぬ荷物の重さ

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カンナ

捨てきれず小袋手にし吹いた風気のせいだろうな一瞬優しく

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パパ猫

ひまわりは子どものような花なりき一点の曇りもなき笑顔

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うしめ

朝に見た夢と昨夜の酒さめて電車まつ人の一人となりぬ

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澄水

さみだれを縫って散歩す水音と何時も一緒に小川に添って

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ゆあ

産声をただ一度だけ許されて消えゆく女児の魂何処

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ゆあ

綺麗事ありのままなど許されず一重の瞼にメス入る五月

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うた

手は遠くもう離れてる少年は今一人立つ迷いながらも

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