木村槿

ストーブと同じにおいを吐き出して市バスは今日もちいさな家だ

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遥末

つややかな廊下の縁に投げ出され乳首を隠す少年の群れ

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ふぬーん

コンビニへ出掛ける夜の雨上がり 橙色の水滲む

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美富うをみ

重心がずっとずれてる状態のウェットティッシュむちゃくちゃに出す

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梅鶏

塩揉みで出てきた水を棄てている胡瓜と同じ色だったのに

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今紺しだ

六人が十センチずつ差し出して少女に座る場所を与える

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今紺しだ

窓という窓が鏡に切り替わる夜景の中へ滑り出すとき

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今紺しだ

もう僕の声が半分まざってるね君の台詞を思い出すけど

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入瀬

コンビニを出れば三日月 これまでの話にまぜた嘘の比率だ

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山形さなか

出涸らしをそれでも大切に飲み干す今でも声が聞きたくなるの

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