満月しじま

あの夏にあなたがくれた赤い傘いまもだいじにしまっているよ

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満月しじま

少しずつ風化してゆくあの夏に油性のペンで書いた恋情

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満月しじま

歌姫が「あ」の一音で染めあげる初夏の朝空 恋がはじまる

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満月しじま

はつ夏のひかりを帯びる日記帳 たったひとつの「五月」の文字で

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恋子

暑いねと愚痴ともつかぬ挨拶に夏ですものと句点の返し

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梅鶏

張り紙を一枚貼って終わらせるシャッター商店街もまだ夏

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恋子

鳴く蝉にカラスも遠目夏木立訳など問わずそれぞれを生き

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平見翠玉

年老いて優しくなった母親にトースト焼く盛夏の朝

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jack

喜多方や ひと月ぶりの 夏の雲

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恋子

誘う夏ティーシャツよりは艶を盛る恋を賭けてるサマーセーター

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