葛葉

君の背を追いかけきれずにゆらゆらと揺れるこころに夏が駆け出す

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かたつむり

ただ君のセーラー服が輝いて夏の光の正体見たり

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雪乃助

あの猫は風鈴の音に似ていたと気が付いてから三度目の夏

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ふにふにヤンマー

だれもいないプールの第6レーンまで夏雲たちのメドレーつづく

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とみた律

後輩のレギュラーたちの活躍に拍手する手が痛い夏の日

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柔らかい時計

夏空を撫づように凪ぐ椰子の葉の隙間から落つ僕の片恋

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ハナマチ

青色の絵の具を少し入れ過ぎて私の夏がまだ終わらない

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May

教室にレモンソルベをぶち撒けて反社会的夏をやりたい

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山田杜魚

おれたちは眠る  初めておれたちが番いとなりし夏の浜辺で

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土井みほ

気の早い甘味処でゆれている「氷」の赤にだまされて夏

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