塩本抄

畳まれた洗濯物のビル群を飛び越えてゆく夏の終わりに

0
塩本抄

軒下で揺れる硝子がみずいろの夏を抱えてまあるく歌う

0
あぼがど

いのちとは神様の線香花火なのだろうかと夏にも思った

0
土井みほ

一瞬だけ光に蓋をするような夜を迎えて北欧は夏

0
白鹿あん

死に絶えてしまった夏を呼び戻すみたいな気持ちでトマトを齧る

0
ほのふわり

たましひの触診だらうベランダで詩集をめくる夏のひととき

0
えんとつカフェ

ウクレレを売る店で買うウクレレがあまりに夏で戸棚に隠す

0
冬野水槽

蝉の殻 痛いくらいの群青に薄れていったきみという雲

0
冬野水槽

快活なきみが時折見せるその泣き出しそうな遠い目がすき

0
えんとつカフェ

野球帽脱げばおでこに当りって文字ありそうだ夏のこどもは

0