澄水

教えられ梅雨の雲間の朧月もうすぐ満ちる十四夜かな

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パパ猫

夢うつつ網戸の夜風ひんやりと 親子ぎつねはくっつき丸く

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路地裏のくじら

ただ泣きたい こんな真夜中があることを あの子はきっと知らないのだろう

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さくら大根

笹の葉は天の河ゆく小舟なり文月の夜さらさら流るる

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中原鼠栞

頬舐む微風よ夜の湿り気よ夏の緑をカンバスに塗る

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香菜

狡いのはお互い様と慰めて寝息交ざらぬ夜は更けてく

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恋子

さ迷えば恋のほむらの蛍火のあんたさがしてひと夜を燃やし

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ちゆ

⁡今夜だけ俺のと言われ今夜すらあの人のだと言わずに揺れる⁡

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ちゆ

⁡日本からけして見られない星座もあるからくたびれてまた夜は⁡

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ちゆ

少しだけ深さをはかりかねている 代品として抱かれてる夜

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