ふぬーん 夜
ふぬーん
美富うをみ 日の長い定時に帰るひょっとしてこんなものかもしれない白夜
薄荷。 どら焼きはこし餡がいい新月の闇夜の色を煮詰めたような
今紺しだ 窓という窓が鏡に切り替わる夜景の中へ滑り出すとき
今紺しだ 夜、きみを不誠実だと断じると淡雪たちも我を支持する
今紺しだ 知っている星が増えれば夜が好き友が増えれば教室が好き
新井きわ(kiwa) この街の難民としてキャリー曳きネオン狂おし夜空を歩く
入瀬 触れずともわかりたかった 真夜中に浸った花瓶は透明ですか
音羽凜 ポストから昨夜別れた恋人の親指に似た何かがのぞく
山形さなか 