家族

本と指との間で息絶えたこの虫にも家族はあっただろうか

ゆのみまど

幼き日家族と暮らしたアパートは何処に行ったか大きな道路

家族をも騒がせるほどのものじゃないさらりと纏う不義の感傷

教育を無償の行為と言う人の家族はつねに忘れられいる

連休に家族そろって遊園地着けば激しい雷雨の歓迎

幼き日酒乱の祖父からランナウェイ家族で車海まで走る

友達の定義を探すその横で友は私を家族と呼んだ

兄という資格を貰う吾子の手のさするお腹のあたたかきこと

独り居に寂寥と気楽混在し家族同然複雑怪奇

聖家族伴に在るなら片隅の暮らし何時でも真ん中暮らし

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