澄水

春の月筑前煮喰う二人して西の窓には赤い夕日が

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光る君

春雷に早鐘を打つ君の胸そっと抱きしめ微睡む君

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恋子

夢うつつ恋はまぼろし春おぼろ残り香たずねせんない火影

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ななから

まだ残る 樹氷を見つけ 春想い 雪の桜と 喜ぶ子たち

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北純一郎

花吹雪井の中の蛙春を知るさあ書を捨て街に出よう

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みゆきち

かの人の棲む武蔵野の仙台屋 春らんまんに咲き誇りける

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ちょうなん

春風や座敷に香る花と線香祖父の名残とともに行くかな

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梅鶏

それぞれの春一番の吹き荒れて君はようやく角曲がり切る

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恋子

つむぐ糸君はもやいの恋の舟漕ぎ出せ春のおなごの舟を

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みゆきち

春雷が合図の空砲鈍色の雲駆け出してくる

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