秋鵠空(さとあき) 春
秋鵠空(さとあき)
秋鵠空(さとあき) 春日野の野火急かすかな陽は西に 灰流す風火の野の幽か
秋鵠空(さとあき) 春日野の名は然ありて来つる春 月照り明し花野の幽か
袴田朱夏 時間には肩がないので後ろからつかめず春が行ってしまった
塩本抄 笹舟は海へ行けるか川底の藻草たなびく安曇野の春
袴田朱夏 デッサンが部室に散って青春は鉛筆2ダース分の先輩
さくたろう 春霞 遥かに望む 山々の 萌ゆる命に 我が先を見ゆ
袴田朱夏 陽光はすこしやさしい この春はチョークの粉の舞わぬ教室
バ先の傘 春は刺す鼻孔へ脳へ爪を立て 空の身体に吹き鳴りカラリ
袴田朱夏 