澄水

夏終わる九月の雨はしっとりと真っ直ぐに降る心濡らして

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澄水

真夜中の下弦の月と星一つ眠れぬ我を見守っている

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澄水

雨降りの九月となりて蟋蟀と御飯を食べて死なないでいる

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恋子

棚田にも風になごんで秋茜月降る頃のはや秋袷

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パパ猫

月光に浮き彫りになるこの心 愛と悲しみこんなに満ちて

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花農家

満月じゃなくてもきれいな月だからうっとり見とれてうっかりうたたね

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恋子

恥じらいに乳房を隠し月明り隠せば艶の魅せて妖しき

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恋子

わが恋の翳りを暴く月明り十三夜の人の残り香が

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羹鱠

またひとつ おひ叶ひたし 夢の路を 月の雲居に とり添へむかな

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パパ猫

朧なる大きな満月背にする樹 葉の隙間から光零れる

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