まちこ 水
まちこ
優花凛 涙雨 心にも降る 今日限り 君の面影 水たまり映す
梅鶏 遠い日の逃げ水を見る延々と母の話を聞く夕暮れに
クルクルバニー 畑にて 汗水垂らし 働けば アダムとイブに 似て来たような
熱海に行きたい 我先に水面へ口を突き出して吾の影を食む鯉の群がり
クルクルバニー 怠けては 水やりもせず ほっとけば 雑草だらけ 荒れ果てるまま
凪海 散るときに花火はやはり「花」と思うバケツの水に溶ける切なさ
風味絶歌 求めれば苦い残り香菩薩顔君は月夜を駆ける逃げ水
十口八 水やりて つゆも実らぬ梅の木を ながむる間にぞ 去らまほしけれ
秋鵠空(さとあき) 