高木はてな 私
高木はてな
栗花落宵 さくら草 私の恋心(こころ)は 雷(いかずち)に 喰われたままで 喰われたままで
梅鶏 思春期のサイレンだった 子の声は私の横で低くなってく
麻衣 泣くわけの主語が君から私へと変わったりする、春遠からじ
敬称略 明日からクローン技術が流行っても、私はずっと世界に一人
かたつむり またどこか私の知らない生活で回送バスのライトが揺れる
だいだい 「会ってみて」と友に言われた人だからこれが私の価値なのだろう
今紺しだ 傷だらけで来てくれたのかガラス片を生み出していた私のもとに
天乃ふみ 私の知、私の糧になった物たちへ私の物のまま死ね
たろりずむ 