たろりずむ

自転車にはじめて乗れたぼくにだけ見える景色にぼくだけがいる

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たろりずむ

自転車にはじめて乗れたきみにだけ見える景色にきみだけがいる

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塩本抄

夫ではなくわたくしと目を合わせ車を語るスズキの女

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成瀬悠

半円の轍が残った青空駐車場まだ淡く匂って

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音羽凜

快速を各駅停車へ乗り換えるまだあたたかいバナナブレッド

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梅鶏

川沿いの刑務所囲む外塀の高さを走る自転車の列

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千代田 環

ワイパーを止めれば世界は滝になりただ瀑声を聞く駐車場

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北大路真彦

平日の駐車場にて四時間を過ごす不徳とカレーの匂ひ

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薄荷。

彗星の青いしっぽを引きずって減速していく夜の自転車

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美富うをみ

ピノキオの鯨の腹の明るさのバスの車内の青白い息

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