青

花束を持つ青年とすれ違う誰かを思ふ春色の風

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題『経』

おそなえのハッピーターン食べたくて祖母と唱えた般若心経

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題『終』

はち切れんばかりの未来を詰め込んで終齢幼虫梢をわたる

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題『ケーキ』

見えるようほっぺにクリームつけたのに素知らぬ君はケーキに夢中

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題『言』

痛いともなんとも言わない奴だから気にかけてみる肝臓のこと

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題『言』

君だけに半分にしたクッキーの大きい方がほしいと言える

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題『名』

逝く夏を名残惜しげに哭く蝉の声を消してく夕立の音

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題『満』

夜空には満天の星輝いてあなたと二人揺られる小舟

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題『冷』

優しくて冷たい雨はセピア色二人を染める相合の傘

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題『ケーキ』

夏までにマイナス5キロを目指す母　ケーキのチラシをとっておく母

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題『駅（テーマ詠）』

新しい名前になったと聞いた夜行くあてのないプラットホーム