クルクルバニー

十代と 深い谷あり 吊り橋も 壊れて今や 風に震える

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秋鵠空(さとあき)

黙球恋ひ浮雲そこ捜せ彼の日恋ひ野風かさこそ黙球飛行機雲

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袴田朱夏

はつなつの風とおりゆく図書館に風のおとだけ許されている

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秋鵠空(さとあき)

遠しあの樹、鳥、風音、波も帆も皆遠ざかり時の足音

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紺野水辺

たぶんもう会えないけれど「またね」って手を振るときに吹いていた風

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クルクルバニー

友もなく 妻と喧嘩を するよりは 花鳥風月 愛でる暇あり

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秋鵠空(さとあき)

風車 子猫は木の間さくら空 草間の小箱猫丸く、坂

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袴田朱夏

僕たちを忘れていった宇宙風きれいごとならまだ残ってる

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秋鵠空(さとあき)

洋日傘で黄昏見ずに急かす接吻 風に菫が育てる空は

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秋鵠空(さとあき)

洋日傘ふと 九段の風の遠い恋音乗せカノン指揮棒振る空は

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