
あなた


「この踏切次にあくのはいつですか」「あなたがここで事故に遭うとき」

もういちど あなたの音を 思い出す 今日はもうヴァイオリンは弾かない

海へ向かう貨物線の先飛んでみる あなたの街に流れ着きたい

いつまでも私はあなたを君付けで あなたは私を旧姓呼び捨て

ねえ似合う?気に入ったから買ったけどあなたの時のための喪服よ

友人の友人よりは近いけど決して友達ではないあなた

あなたもう死んだんですと諭されてうんわかったと棺に戻る

爆音とともにあなたは影になり打ち上げ花火を不吉にくり抜く
