毒まんじゅう いない
毒まんじゅう
海紀亜 ペンギンを数える声と いないいないばぁと悲鳴が響く 注射待ち
海紀亜 一言も嘘を吐いてはいないのにどうしてそんなに残酷なんだ。
屁の河童 見慣れない男の靴が玄関にあるのに客はいないと言う妻
屁の河童 末の子が俺にちっとも似ていないわけを女房の日記から知る
屁の河童 振り向けば誰もいないが肩越しに鏡に映る見知らない顔
みどり この次も設置するだろう独力で助っ人のいない新しい家電
まちこ 喩えようのないないものが世界にはあってそれは喩えなくてもいいもの
まちこ 冬晴れの空父のよう母のよう誰も死んでいない空のよう
クルクルバニー 