うたの日

梅鶏

遠い日の逃げ水を見る延々と母の話を聞く夕暮れに

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梅鶏

汐風に撫でられながらぽろぽろと記憶を失くす軍艦島は

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梅鶏

絵日記をまとめ書きして閉じるとき夏の終わりの突風が吹く

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梅鶏

丁寧に巻くこともないこの先はロールキャベツも君のパンツも

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梅鶏

セブンティーンアイスに蟻が群がってここでの飢餓は無くなりました

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梅鶏

チャーチルという犬の住む眼裏は霧の晴れない朝に似ている

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梅鶏

心には時々倖田來未がいて「めっちゃ好きー」って言いそうになる

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ふにふにヤンマー

オイミャコンひとりでまもる鼓笛兵くちびるさけてもらつぱをならす

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梅鶏

もう君のものでもいいよ眠る子が夏の木陰を離さずにいる

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梅鶏

山里を祖母も離れてまたほろり、ほろり、崩れてゆく土壁が

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