袴田朱夏 うたの日
袴田朱夏
中村まふゆ この部屋に初めて彼を呼んだ日は誰もがみんなよそ行きの顔
中村まふゆ 去年まで届かなかった鉄棒を掴んだ分だけ空が近い
甘森太一 階段の子らの足音軽くなる五線譜跳ねる音符のように
深山睦美 令和四年からうたの日は「猫」「さみしい」「陽だまり」をナーフしてくれるらしい
甘森太一 「きりつ、れい、ちゃくせき、おはよーございます」とりどり光を湛える蕾
甘森太一 〈おしとやかマシーン〉か私 会議中なにも言わずに微笑んでいて
中村まふゆ 声変わり始めた息子に明日から青春編がスタートします
甘森太一 山盛りのポテトは萎びて薄暗い実家の風呂場になめくじ二匹
梅鶏 