
ごめん


暁に小さき娘の夢を見てごめんねと抱くその子は五十路

新居にて ごめんなさいと 誤りし 今更なんだと 別れし妻へ

甲羅干し どぼんどぼんと 水に入り 仲良し亀よ 驚かせごめん

ゆるされた その優しさに かたくなな 心とかされ ごめんなさいと

年経れば謝りたいことばかり増えもう届かないごめんなさいを

ごめんね、まだ答えは出ない。でもいいよね、いつか忘れてしまうのだから

ごめんねとつぶやく恋はあどけなく幼き春はしょげて石蹴る

さえずりで気づく巣作りベランダの ごめんよ去って面倒を見れない
