パパ猫

会えたなら口づけしよう話ならそのあとでいい唇ふさぐ

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パパ猫

夜の風がレースのカーテンすり抜けてここまで来るよもう寝なさいと

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平見翠玉

やじろべえのようにユラユラ揺れる生きることは不安定なり

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パパ猫

悲しみは人それぞれのものならばせめて等しく照らせよ月よ

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澄水

目刺し喰ふ煮干しも喰へば何となく猫も残せり頭と尻尾

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めるへん

機械にて植えし早苗も変わりなく五月の風は優しく過ぎる

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ゆあ

綺麗事ありのままなど許されず一重の瞼にメス入る五月

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みゆきち

幼き日耳で覚えた童謡はうさぎ追うもの美味しくはない

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カササギ

これほどに俺は俺だと自覚する場所があるとは 患者となりて

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澄水

燕舞う五月の空は晴れ渡りその速きこと弧を描くかな

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