杏鈴

下向くと 目を塞いでくる 老髪を 前を向こうと 軽くして

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Tokari

春めいて一呼吸ごと移りゆくこの気持ちさえ儚く見える

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Tokari

道標枯れゆく先に続いてる息呑んだのはわたしのエゴか

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恋子

いじらしくはにかむ恋の初めとや頬染めふるえ消え入ることば

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かんまさ

いつまでもここが居場所と認めない覚悟のなさが足をとどめる

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パパ猫

露落ちて波紋が生まれ戻る間に閉じ込められし永遠のとき

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パパ猫

このカーブ曲がれば君が立っているハンドル回す鼓動は速く

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うしめ

一粒も遮るものの無い中に君はだんだん滲んで消えた

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パパ猫

上弦の月は等しく世を照らし明日の幸せ祈ってくれる

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平見翠玉

寝る前の我の日課よ父のおむつ交換しては床につくなり

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