
わたし


「お岩さん、丑三つ時ださあ出よう」「いいえ、わたしが出るのは四つや」

これまでの恋を滑走路にしてわたしはあなたへと飛び立ってゆく

わたしの死体が歩いている昔なくしたサンダル履いて笑ってる

詩がひとつ生まれるとわたしの中の孤独がひとつ消える気がして

お守りのようにわたしは持ってるの「また会おうね」と交わした約束

君が撮るカメラロールに居たわたし救いだったよ愛されたいこと

日常ではない日常の夢を見る あなたがわたしで わたしはあのこで

「それが何」「言っただけだよ」影落とすまつ毛にわたし刺される日願う
