三席

梅鶏

手を振って来る人全てに手を振って子供のなかに境界はない

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梅鶏

この肩はとうに五十を超えており追いつくように私のその他

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梅鶏

「行きたくない」の誤読のように幼子は土日にずっと「楽しい」と言う

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梅鶏

母の出す濡れタオル手に特殊詐欺熱く語りぬ駐在さんは

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梅鶏

見切り品をしずかに乗せて方舟のようにフロアに並んだカート

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梅鶏

黄泉からの光もたまにあるだろう夜がどこでもドアをひらけば

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梅鶏

兄という資格を貰う吾子の手のさするお腹のあたたかきこと

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梅鶏

お互いの晴れ間を交換するように少女らは好きな本を見せ合う

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梅鶏

私しか知らない街で私しかいらないものを買い足していく

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梅鶏

くじら屋の奥ではにかむあの人に「あんちゃんいいね」と言われる日 来い

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