三席

梅鶏

願掛けのように靴紐きつく締め運動場へ駆ける子供ら

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梅鶏

カレンダーの裏をお花で埋め尽くし子の先月が今日で終わった

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梅鶏

「父親と愛人」で得た教訓をイソップ寓話のように説かれる

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梅鶏

弁当の容器を洗う繰り返す明日のための起点のように

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梅鶏

ちょうどいい幸せがあるちょうどいい不幸せの斜め向かいに

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梅鶏

それぞれの春一番の吹き荒れて君はようやく角曲がり切る

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梅鶏

深海に潜るぐらいの面持ちでドアを三回ノックする春

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梅鶏

てけてけと春の漁船が凪ぐ海の岩場を少し遠回りする

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梅鶏

出雲そばの乾麺湯がく真昼間のテレビにロケットの切り離し

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梅鶏

人からはよく見られたい月曜の子らは小さな嘘を混ぜつつ

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