北大路真彦

風鈴に「忌中」の紙をぶら下げて鳴らす簾を通る涼風

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北大路真彦

午後三時白き病室ひとり名も知らぬ母子を黙し見下ろす

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玖嶋さくら

まだきみが潜在意識下ひそむこと突きつけてくる明け方の夢

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遥末

つややかな廊下の縁に投げ出され乳首を隠す少年の群れ

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今紺しだ

話しかける理由になるかサエキさんが廊下で雨を見ていることは

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田斗かき

楽しさの落下速度は須らく、300000km/s

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一色凛夏

ありふれた人生である靴下を今日は右から履いてみる朝

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梅鶏

立ち上る甘い香りとすれ違いエスカレーター地下へと下る

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六浦筆の助

赤線の名残りひっそり鳩の街目当てのカフェに下りるシャッター

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CHONO

彼は言う「黄色い線まで下がって」と僕はそこから踏み切る。そして、

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