山形さなか 傷
山形さなか
たろりずむ 負けたことよりもタオルを投げられたことよりもこの拳の無傷
バ先の傘 猫が月咥えておれと遊んだからあすこが凹んで傷ついてるの
今紺しだ 傷だらけで来てくれたのかガラス片を生み出していた私のもとに
露置みつる 思い出は不在の椅子のサンルームささくれだった床を踏む傷
茶熊さえこ 痛み止め効かない傷がビコンってLINEの音に混ざるよ 未だ
袴田朱夏 包めるままだけど思うよ新幹線感傷モード(毛玉丸めつつ)
はとサブレ 思い出の痛点ばかりなぞってはこれもひとつの自傷と思う
たろりずむ 親の目を盗んでつまみ食いをしただけで傷害罪に問われた
北大路真彦 