満月しじま

海底に沈んだ都市がありまして想い出として生きている君

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満月しじま

やわらかき桃をつぶして種を出す もう被害者に戻れぬわたし

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満月しじま

病院を出れば二ヶ月ぶりに風秋の色して私をつつむ

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パパ猫

朝顔の花は昼間にしぼんでも幼き夏の思い出に咲く

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鈴木ベルキ

この人はずっと峠にいるんだな茶屋の女将が差し出す煎茶

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鈴木ベルキ

やさしいと言われたあとの怖さ 湯は湧出口からすべてあふれる

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満月しじま

昨晩の夢に出てきた真赤なるアジサイを、ねぇ、いただけますか。

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Hama

日焼け止め 塗るの忘れた まぁいいや 娘はだらりと 家を出るなり

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澄水

捨ててこそ空也上人念仏が口から出るか南無阿弥陀仏

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澄水

夏の月三日月程が涼しくて窓から首を突き出して見る

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