今紺しだ

詰めが甘い雑巾おれに貸してみと黒板受けを拭きなおす君

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今紺しだ

木星と土星の影は重なって私と君で当たる日直

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今紺しだ

僕よりも優しい君の、僕よりは多く隠しているはずの傷

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今紺しだ

君の記す数式たちが遠い星に引き寄せられてノート羽ばたく

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今紺しだ

もう僕の声が半分まざってるね君の台詞を思い出すけど

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今紺しだ

いい風だね、君が笑って「ね」のとこで街の、私の、重力が消える

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今紺しだ

親指が画面にふれる面積は君が世界にふれる面積

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今紺しだ

展示室8で来世の君を待とう滅びた「ヒト」の剥製として

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今紺しだ

走るとき君のことばは過去からの追っ手に向けて投げる爆弾

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Coutarus ONAI

窓にまだ君の指紋の残りおり雨の消せない体温として

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