団扇

またひとつ夏が抜けたか香り立つ朝の珈琲団扇を忘れ

夕凪についと団扇の風くれて恋女房の五十年かな

ブタの口煙吐きだす昼寝時大の字描けばだらりの団扇

クモ見つけ夫団扇で小窓へとクモが飛び降りバンジージャンプ

さくら大根

風のやみ立ち位置これは大嵐誰か誰がと戸惑う団扇

しどけない女に魅せる瀬戸の凪団扇の風の裾より胸へ

今年はと団扇を選ぶ春炬燵ころもがえには首すじ寒し

虫の音とフジファブリックを聴きながら団扇にキスする君の横顔

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