みゆきち

ひさかたの雲ひとつなき大空に五月の風は夏を孕んで

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澄水

夏草や踏まれ刈られて生えている大地と伴に生成の無垢

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澄水

かすかなる蜻蛉の羽音夏の日の風の動きを肌で感じて

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恋子

さす紅の少し濃くして衣更え夏ですあなた大人の恋へ

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恋子

雨の糸操りつぐむ走り梅雨雨後の月出りゃひと夏の恋

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鉄棒の上にも三年

初夏の候故郷に帰るは上乃裏梅雨にも負けらむ想ひ出の雫

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宵闇

初夏蒼い血脈沸き立つ手の甲はヒンヤリと部屋に撫でられている

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恋子

走り梅雨夏の関所の露払い鬼のパンツの通行手形

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うしめ

もう夏の顔をしている太陽を背に来る君の麦わら帽子

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めるへん

「本当は甲羅を脱いでしたいのさ」初夏の日射しに亀のつぶやき

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