塩本抄 子
塩本抄
すみ 青い日の 祖母の姿を 見てるよな 変わらなくある 浜茄子の海
一色凛夏 種子島宇宙センター狭過ぎる海を眼下にロケットは発つ
梅鶏 子は春の足音になるピアニカでさいたさいたと何度も吹いて
あまがっぱ 年老いたピアノは別れを惜しみつつ親子連弾胸に刻んだ
梅鶏 じゅんばんこ、かわりばんこを覚えだす子がママだけにするはんぶんこ
えんとつカフェ 密輸するようにリュックを子は抱え300円越すおやつを運ぶ
えんとつカフェ まだ子供と思われたくて心配の種ふたつみつ故郷で蒔く
梅鶏 鍵盤をららし、ららしとたたく子の人さし指はもう春らしい
森山緋紗 