ひぐ 子
ひぐ
だいだい 感情にグラデーションがない子らの「嫌い」は「死ね」となることごとく
信州そば 駄菓子屋の錆びし看板風に揺れキイと音する昔のままに
海紀亜 懲りもせず あの子のことを訊いてしまう 自傷のように。その日のために。
虹泉 冬霧が山の間に間に巡りゆく迷子の秋を優しく導く
ふにふにヤンマー 三十年経ちて子らみな巣立ちゆき ひばり団地の静かなる朝
澄水 淡路島明石海峡舟ゆかば舞子が浜の千鳥啼きけり
梅鶏 十二月は事件が増えるサンタへの手紙を盗む大人が増えて
海紀亜 何度でも私を呼んで 名前だけはあの子と共有せずに済むから
小鳥遊ありさ 