瓜野櫂

眠剤を飲んで効くまでの魔のときよ 小さな死に立ち向かうとき 独りね

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冬寂

幾億のフェイクとヘイトをしあわせの青い小鳥が運んでまわる

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土井みほ

終わりまで読まずに積まれた小説に生きつづけているきみもわたしも

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糸間ケント

自販機へ行くぞ深夜に月光で小銭の価値を確かめるのだ

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かなた小秋

梅干しの種を噛み割り守られた小さな白い希望も食べる

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尾崎飛鳥

新しいことをはじめる時いくつになっても小学生のわたしだ

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御影堂 歩

大きな白い花びらと小さな赤い花びらが混ざってひらり散ってゆく

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だいだい

ボストンの海にはロブスターが泳ぐ大中小のどれを喰おうか

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北大路真彦

小手毬の白眩しけり鼻声で念仏唱ふ妻を想ひぬ

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北大路真彦

泣きながら青き小花を踏みつける二度とここへは誰も来ぬよう

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