少年

袴田朱夏

キスだけじゃ子どもはできないと知った少年と世界の第二章

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あげは

紫陽花の真白き花弁少年の内股のごと静かに透けて

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五月雨薊

すべやかな脛を恥じらう少年の声はまもなくテノールになる

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たいた

少年はひとりで帰る投石は水面に映る空を歪ませ

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音忘信

少年は雲を見ていた 母親はそれを大切そうに見ていた

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遥末

つややかな廊下の縁に投げ出され乳首を隠す少年の群れ

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未分類

きみだけはじごくにおちれますように さかさまの本を読む少年

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音羽凜

渓流に足を浸して少年のような笑顔でわれを呼ぶ君

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