屁の河童 山
屁の河童
屁の河童 軒に這う蔦もすっかり色づいて時雨に暮れる山寺の秋
羹鱠 雪もふり 小春に咲き出 山茶花の 香る暦を ときと思ふや
梅鶏 「あま〜いあま〜い石焼き芋」がこだまする団地は二階建ての山脈
梅鶏 山里を祖母も離れてまたほろり、ほろり、崩れてゆく土壁が
ふにふにヤンマー 寺山の柱時計がふいに鳴る母横抱きに探すおとうと
偽高校生 ボロいけど意外といいのよこの電車 富士山と目があっちゃったりね
チッチ 人生がどうだこうだと詠む前に 山で芝刈りでもしてきなさい
クルクルバニー 幸福は 山の彼方の 空遠く 何処にありや 我救われん
秋鵠空(さとあき) 