満月しじま

伊右衛門のペットボトルの底にある「おおきに」の文字 キャップを開けた

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めるへん

戦時下を詠む歌深き体験者 どん底知らぬ我の軽さか

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サルトビ

ロシアにて 自由を謳う 音楽家 どん底からの 立ち直りをと

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澄水

グレッキの三番を聴くパンドラの箱の底には希望が残る

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パパ猫

鈍色の船底のごと雲ならぶ 海底の街 鳥も泳いで

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パパ猫

ありふれた今日という日の愛しさよ心の底に薄く降り積む

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個感

日曜の夜の底から月曜の朝まで登り坂きついよ

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うしめ

靴底を伝わり嫌な感触すマイマイの殻グニャリとなりぬ

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うたちゃん

ゆく川の流れに沿って流されて 自分の弱さ沈む川底

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澄水

アディダスのテニスシューズのありがたさ底が剥がれるまで歩きけり

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