待つ

梅鶏

桜は散る、梅はこぼれる 単線の駅であなたを待つ夕まぐれ

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羹鱠

晩秋に 萌えよと息吹 花ノ木に 待つも久しき 瑠璃の春空

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梅鶏

ドライブスルー抗原検査を待つあいだフロントガラスに消えてゆく雪

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五月雨薊

家々の明かりが灯りそれぞれに帰り着くひと待つひとがいる

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ひーろ

電車だけえんえん巡るジオラマのプラットホームで春を待つひと

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羹鱠

あけぼのに 覚めて微睡む 夢心地 春待つ花の 蕾のごとし

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羹鱠

雲隠れ 祈りて待つも 心憂し 無くて叶はじ 文の清月

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羹鱠

天の川 奏づ琴の音 しるしせむ 待つも久しき まほろばの夢

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羹鱠

雪もふり いつる川面の 氷さへ ときと思はむ 待つ暇もなく

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梅鶏

駆け抜けた歩道の音を繰り返し轟く正午の号砲を待つ

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