春を待つチェルノーゼムは犯されて怒張してゐる赤き欲望

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袴田朱夏

好きですに今日の夕陽を賭けました、五時の給水塔で待ちます

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梅鶏

桜は散る、梅はこぼれる 単線の駅であなたを待つ夕まぐれ

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羹鱠

晩秋に 萌えよと息吹 花ノ木に 待つも久しき 瑠璃の春空

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梅鶏

ドライブスルー抗原検査を待つあいだフロントガラスに消えてゆく雪

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麻衣

さよならがただ待っていると知っていた綺麗なそれで幸せだった

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五月雨薊

家々の明かりが灯りそれぞれに帰り着くひと待つひとがいる

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ひーろ

電車だけえんえん巡るジオラマのプラットホームで春を待つひと

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凪海

寂しさに支配されない期待しない別れ際には振り返らない

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F美子

ねえダーリンあなた不在のコンサート特等席であたし待ってる

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